私、脊髄小脳変性症です。kiki ’s blog

母方の家系の遺伝性脊髄小脳変性症(SCD6)を発症しました。私がどんなふうに生活しているのか知ってもらえたら同じ病気の人の何かの励みや参考になれば幸いです。落ち込む時もありますが一生懸命生き抜く事が母との約束でもあります。

告知されても慌てないで…

前回の書き込みから3か月が経っていました。

気になってはいたんですが、病気(脊髄小脳変性症)の事を書く事が自己顕示のように思えて遠ざかってしまいました。

 

最近、少し時間が出来てPC検索していたら、同じ病気の人の書き込みを見つけました。

最近告知された方のようで、とても不安定な様子でした。

 

そういえば私も母からの遺伝が確実になったころは、平静を装いながらも自覚症状を感じては以前の自分と比較してしまっていました。

あんなこともこんなことも出来ていたのになぁ…って(-_-)

福祉の仕事をして、もっと悲惨な人たちを見てきたのでパニクったり慌てたりはなかったです。

SCD6の遺伝型なので子供達への遺伝も心配ですが、今更遺伝子を削除する事もできません。

子供にはこの病気だった私の母が生きている頃から病気のことを話していたので、子供たちはそれぞれ覚悟しているようでした。

 

そして、この間長男が結婚しました。

 

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ウエルカムボード

とても嬉しそうに連れてきたお嬢さんは看護婦さんでした。

長男がいい年こいて無邪気に笑っている姿を見て、破談にならないように祈っていました。

息子はプロポーズするにあたっても私に相談をしてくれました。

私は、結婚する相手に病気のことを黙ってプロポーズするのは卑怯だと思い、告知する事を進ましたが、最後の最後

「黙っているんだったらお母さんも一生黙ってる。将来目に見えて病状がわかるようになったらお前には会わないようにする」

と言いました。

もちろん孫が生まれても会わない事を覚悟しました。

 

しかし息子は告知する事を選びました。

看護婦の彼女は、もちろん事の重大さがわかると思います。

祈る思いでした。

息子が「この人!」と思う人と出会えたことの感謝と、息子の幸せな顔が曇ることが無いよう…祈るばかりでした。

 

私は病気の遺伝子を抱えた家系側と言う引け目を抱えています。

直接彼女に、脊髄小脳変性症の遺伝子を持っているかもしれない息子と結婚してくれてありがとう…と言えていません。

「ありがとう…」と言いたいですが言えませんでした。

口に出していう事で、目の前に現実を突きつけてしまうようで怖いのです。

息子たちにはあまり気にせず生活してほしいのです。

 

私は発病してしまいましたが、息子はまだ症状が出ていません。

将来もしかして息子が発病してしまったら…と考えて出来るだけ残せるものは残そうと考えています。

 

告知されても慌ててはいけません。

脊髄小脳変性症は今のところ治る病気ではありませんが、特定疾病に認定されているので医療費が助成されます。(手続きがいりますけどね…)

発病するまで厚生年金をかけている方なら障がい年金3級が受給できるかもしれません。(年金の未納無などの条件がありますけどね…)

慌てふためく本人の様子が周りを混乱させるんです。

世の中、難病でも無理なく仕事が出来る環境が整えられてきました。

意欲があれば最低賃金ですが仕事をすることもできます。

もちろん慣れた仕事を続けることが出来れば一番です。

障がい手帳を取得して障がい者雇用で就職も可能です。

そういう事も子供たちに知らせて、普通に暮らせることを身をもって見せたらいいと思うんです。

私も思うところはたくさんありますが、どちらかと言うと自分勝手に生きてます。

病気になって不便な事も沢山ありますけど、悔しいこともありますけど、不便な事や悔しい事に注視しても羨むことしかできません。

今、この病気のおかげで求職中です。休職中とも言います。

これからどうしようかゆっくり考える時間を頂いています。

有り難いことです。

病気にならなかったらこんな時間絶対ないと思ってますよ…('◇')ゞ